FXをしたことがある方は「コピートレード」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。
コピートレードは、自身の裁量でトレードする方法ではないため、FXに関する知識や経験が乏しくても始めることができます。
しかし、何も知らずに始めてしまうと大損するリスクが隠されているため、特徴や仕組みを知っておくことは大切です。
そこで本記事では、コピートレードの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
このページの目次
コピートレードとは?
コピートレードとは、他のトレーダーの取引を自動的にコピーする手法で、他のトレーダーの取引結果が自分の口座にも反映されます。
そのため、コピー対象に選んだトレーダーが利益を出せば利益を得られ、損失が出れば損失を受けることになります。
コピー対象に選ぶトレーダーは自由に選ぶことができ、トレード結果や評判を参考に選ぶことができます。
コピーできるトレーダーには、FXを専業にしているプロトレーダーもいるため、プロの手法で利益を得られるのがコピートレードの魅力です。
そんなコピートレードには以下の3種類があります。
完全裁量タイプ | コピー対象のトレーダーがすべての売買を自分で行う |
半裁量タイプ | 基本的な売買はシステムが行い、状況に応じてコピー対象のトレーダーが売買判断する |
システムタイプ | すべての注文をシステムが判断する(EAと同じ) |
FX業者によっては3種類のコピートレードすべてを利用できず、いずれかの種類しか取り扱っていない場合があるのでご注意ください。
コピートレードを利用する場合は「月額利用料」「取引手数料」「成功報酬」などのコストが発生します。
コピートレードは、自身の裁量ではなく、他のトレーダーに任せて口座を運用してもらうことになるためコストがかかる点は理解してきましょう。
FXを得意としたトレーダーに口座の運用を任せるため、「投資信託」のような手法であり、裁量トレードが苦手な方やFX初心者にはおすすめです。
コピートレードのメリット
コピートレードのメリットには以下の3点があります。
- 常にチャートを見なくても良い
- 取引したい通貨や取引枚数は自身で設定できる
- 売買判断を最適なタイミングで行ってくれる
これらの点について、それぞれ解説します。
常にチャートを見なくても良い
自身の裁量でトレードする場合、以下の作業が必要となります。
- チャートを開く
- チャート分析する
- 経済情勢の情報収集
- タイミングを計ってエントリー
- 状況に応じて決済
これらの作業は自身の知識や経験が必要となり、経済情勢などの情報収集も常に行わなければなりません。
また、シナリオに沿ってエントリーした後も、状況に応じて決済する必要があるため、チャートから目が離せません。
しかしコピートレードは、他のトレーダーの取引が自動的に反映されるため、自分で何もする必要がありません。
常にチャートを見ていなくても利益を求めることができ、それと同時に時間をFX以外のことに使える点はコピートレードのメリットといえるでしょう。
取引したい通貨や取引枚数は自身で設定できる
ミラートレードは、通貨ペアや取引枚数に縛りがないため、自分の好きな通貨ペアで好きな枚数を取引できます。
例えば「米ドル円は値動きが小さいのでポンド円で取引したい」「1ロットは怖いので0.5ロットで取引したい」など自由な設定が可能です。
そのため、コピー対象とするトレーダーが大きいロット数での取引が多いからといって、自分もそれに合わせる必要がないのはメリットといえます。
しかし、トレーダーによっては「得意な通貨ペア」「苦手な通貨ペア」があるため、コピーする場合は事前に紹介文を良く読んでコピー対象を選ぶことが大切です。
もし、適当に選んでしまうと大きな損失を受けることに繋がるので、コピー対象の選定は慎重に行いましょう。
売買判断を最適なタイミングで行ってくれる
FXで最も難しいのが売買判断です。
チャート分析や情報収集は知識さえあれば誰にでもできますが、売買のタイミングを計るのは経験がとても重要となります。
ミラートレードと似たような手法で、EAを活用した自動売買トレードがありますが、こちらも売買はすべてシステムが自動で行ってくれます。
しかし、EAのプログラムは市場の平均的な動きを想定して作られているため、予想外の相場変動が起こった際に大きな損失につながる可能性があります。
そのため、予想外が起こっても大丈夫なように取引枚数を減らしたり、EAを停止させたりと随時調整が必要です。
しかし、コピートレードはEAのようなシステムではなく、人間がすべて売買に関与しているため、予想外の状況にも対応できます。
こういった点から、コピートレードはリスクを最小限に抑えたトレードができるといえるでしょう。
コピートレードのデメリット
つぎにコピートレードのデメリットには以下の3点があります。
- コピートレードができないFX業者がある
- コピー対象とするトレーダーを選ぶのが難しい
- 運用コストがかかる
これらの点についてそれぞれ解説します。
コピートレードができないFX業者がある
コピートレードは、FX業者によって利用できないところがあります。
海外FXでは対応しているところが多いですが、国内FXに関しては未対応のところが多いです。
海外FXとは、レバレッジが最大1,000倍までいけるなど少額で大きな利益を狙える点で魅力ですが、損失額も大きくなる場合があります。
一方、国内FXとは、レバレッジが最大25倍に規制されており、ある程度の資金が必要となりますが、損失額は海外FXに比べて小さい傾向にあります。
海外FXと国内FXはこれら以外にも様々な点で異なりますが、基本的には海外FXの方がサービスが充実しています。
そのため、自分に合ったFX業者選びを行ううえで、もしコピートレードを利用したい場合は、事前に対応しているかリサーチしたうえで口座開設しましょう。
コピー対象とするトレーダーを選ぶのが難しい
コピートレードは、必ず誰かをコピー対象に選ぶ必要があります。
コピー対象に選ぶ際は、紹介ページに記載された文章や過去の成績などを参考に選ぶことになりますが、記載されていることすべてが事実とは限りません。
過去の実績については、FX業者によって管理されているため、基本的には信用できますが、紹介文については自由に記載できるため判断が難しいです。
コピー対象の選定を誤ると利益を増やすどころか、資金が全損する可能性もゼロではないため、慎重に選ばなければいけません。
しかし、紹介ページには「フォロワー数(コピーしている人数)」が記載されていることが多いので、どれくらいの人数がコピーしているかを参考に選ぶこともできます。
コピー対象に選んだあとは、そのトレーダーに自分の口座の命運を預けることなるため、参考にできることはすべて目を通し、より慎重に選ぶようにしてください。
運用コストがかかる
コピートレードは、自身の裁量で行う通常の口座ではないため、以下のコストがかかる場合があります。
- 月額利用料
- 売買手数料
- 成果報酬
月額利用料や売買手数料は継続的にかかりますが、成果報酬は利益が出た際に徴収されることになります。
通常の裁量トレードの口座は、上記のいずれも徴収されない点から考えると、驚いた方も多いでしょう。
そのため、コピートレードは、投資信託と同じものだと思っておきましょう。
投資信託は、売買手数料や信託報酬といったコストがかかる商品で、こちらもファンドマネージャーに運用を任せておく投資方法です。
コピートレードには、チャートを常に見なくていい点や、トレードに対する不安から解消される点など、様々なメリットがあるため必要経費と思っておくと良いでしょう。
コピートレード詐欺には要注意!
コピートレードの高利益率を宣伝にして、詐欺に勧誘される場合があります。
特に注意すべき勧誘方法は以下の3点です。
- SNSでの勧誘
- インフルエンサーに宣伝させた勧誘
- マッチングアプリ経由での勧誘
これらについて、それぞれ解説します。
SNSでの勧誘
コピーライターは「ほったらかしで1億円稼げます!」などと謳って、聞いたことがないようなFX業者を勧めてくる方には要注意です。
このような勧誘は不特定多数に送られており、とくにFXに興味があるような投稿をしている方には非常に多くの勧誘が届く場合があります。
SNSでの勧誘のされ方も様々ありますが、投資に興味がありそうな投稿にコメントで勧誘してきたり、いきなりDMを送ってくるパターンもあります。
1億稼げたことが仮に事実だとしても、どれだけトレーダーとして優秀でも「必ず稼げる」ということはありません。
そのため、「誰でも稼げる」「何もしなくてもお金が増える」といった勧誘に惑わされることなく、気になる場合はリサーチをしっかりしたうえで検討しましょう。
インフルエンサーに宣伝させた勧誘
インフルエンサーや有名人がFX業者を宣伝をしていることがありますが、詐欺と知らずに案件を受けている可能性があります。
感覚的に「有名人が宣伝しているから大丈夫だろう」と思いがちですが、すべてが安全というわけではありません。
特に聞いたことがないFX業者を紹介している場合は要注意です。
本当に信頼できるFX業者であれば、ホームページやネット上での評判など、リサーチすれば様々な情報が得られます。
そのため、インフルエンサーの勧誘を見て興味を持った場合は、事前にリサーチしたうえで検討することを心がけてください。
マッチングアプリ経由での勧誘
『マッチングアプリでFXの勧誘?』と思った方も多いと思いますが、実際にアプリ経由で「投資が趣味」「FXに興味がある人と繋がりたい」など言ってくる方は要注意です。
マッチング当初は、他愛のない会話で盛り上がり、仲良くなってから投資の話をしてくることが多く、関係を途絶えさせるのが嫌でつい受け入れてしまうというケースが多いです。
このような方は詐欺師のように心理的に働きかけてくるため、洗脳するような勧誘の仕方が上手です。
しかし、一度詐欺にあってしまうと、取り返しがつかない事態に発展する可能性もあるため、マッチングアプリで投資の話をしてくる方にはくれぐれも注意してください。
まとめ
ここまでコピートレードの特徴やメリット・デメリットなどについて解説してきました。
コピートレードはれっきとしたトレード手法で、特に海外FXでは人気の手法です。
チャートを常に見なくて良いというメリットや、裁量トレードが苦手な方でも簡単に始められるという魅力があります。
しかし、対応していないFX業者やコピー対象の選定が難しいというデメリットがあることから、慎重にならなければいけない点もあります。
コピー対象とするトレーダーにはプロトレーダーもいることから、評判の良い方を見つけられると安定した収益が得られます。
そのため、コピートレードをする際は良いトレーダーを見つけ、最初は少額から始め、成績を見ながら徐々に金額を増やして運用していくといいでしょう。